2017年3月19日日曜日

とりあえず安定動作っぽい?というところまで到達できたっぽいので記録とする

・TMC2100は発熱が大きい割に熱に弱い

・今回のボードでのVrefの実用限界は1.0V

・というか"買い"なのか? 素人にはおすすめできないけどプロにも向かない


本編

・TMC2100は発熱が大きい割に熱に弱い

 エクストルーダーでは脱調問題が解決できなかったので使えないとしておく

 本来のパワーエレクトロニクスでは
 電流量をPWMコントロールすることで
 低発熱低消費電力を実現するのがセオリーなんだが
 (パワーLEDのフリッカー問題もその辺に根本がある)
 こいつは定電圧制御なのでその分の熱損失が大きいのかも?という結論

 ファンによる強制空冷は必須 それでも安定速度は40mm/secまで
 てかこれも熱容量が足りてないせいだな多分

 この記事公開前に冷却経路をダクト化にすることで大幅な改善が出来たが
 モデルによっては相変わらず脱調が起きる
 ダクトでの強制空冷はこいつを使えばいい
 http://www.thingiverse.com/thing:1949625

 多分加減速とジャーク辺りを詰めればもっと速度出せるのかなぁ

 安全率を見ると40m/secが限界ってのは変わらず
 ただ純正と違ってトラベルも同じ速度なので
 純正と比較して2倍弱の出力時間がかかるようになる

・今回のボードでのVrefの実用限界は1.0V
 1.4も試したが劇的な改善にはならず
 Vref上げると発熱で脱調して
 下げすぎると電流不足で脱調するようだ

 もうちょいダクトを大きめに作って馬鹿でかいヒートシンクつないでやれば
 あるいは安定するかもしれないが
 せっかくAliexpressで安く調達した意味が薄れそうだなぁと

・というか"買い"なのか? 素人にはおすすめできないけどプロにも向かない
 
 メリットが静かになるということ以外一切ないのに
 速度上げられない上に結構な改装しないと脱調が収まらないので 

 時間倍になってもいいから静かなのがいい
 そのためにはなんでもします ってことじゃない限り
 純正のまま使ってる方がトラブルとか少なくていいんでないの的な

 プロユースなら専用の部屋に移動したり防音ボックスとかも作れるしなぁ

てな辺りかね

以上

 


2017年3月7日火曜日

今回のお話

注文してたモータードライバがきました
これでプリント中ずーっとヘッドホン生活からおさらばである

・TMC2100モータードライバを調達する

・取り付ける

・そのままだと暴走して死ぬのでファームウェアの設定を変更する

・とりあえず出力テストをしてみる

んじゃ本編

・TMC2100モータードライバを調達する

 これは国内調達しようとすると一個4000円です
 さすがに全モーター揃えたら本体価格の半額は
 コスパ的にもう完全にアカンだろーって感じだったので

 とりあえずAliexpressで調べる
 ・・・平均単価8ドル 悪くない
 5個セットの価格が大体36ドルくらいなので

 国内で一個買うコストで全モーター分が揃う
 ただしシッピングタイムが最低二週間くらいかかるので

 急ぐ人には向かないかもなぁ
 この値段だったら普通にAliで買っちまうほうが個人的にはええけど
 これから3Dプリンタ買う人で予算に余裕があるなら
 シッピングタイム的に同時に発注するくらいでいい


・取り付ける
 今回調達したやつは
 TMC2011ドライバの開発メーカー純正系ではなく互換ボードのようだ
 ピンアサインはキット付属のドライバと一緒なので
 とりあえずポン付けでいけるが
 半固定抵抗のつく位置が逆になるのでそこだけ注意かなぁと

 あと必要に応じて電圧も調整が必要らしい

・そのままだと暴走して死ぬのでファームウェアの設定を変更する

 事前情報どおり キット付属のモータードライバと回転方向が逆です
 つけていきなりオートホームとかやっちゃだめよ 絶対だぞ
 特にガラステーブル置きっぱだと最悪ガラスが割れるかノズルが潰れる
 
 まぁ修正箇所は簡単だった
 Configration.hの該当箇所を修正する
 まるごとはっつけとこう

// Invert the stepper direction. Change (or reverse the motor connector) if an axis goes the wrong way.
/*#define INVERT_X_DIR true // DELTA does not invert
#define INVERT_Y_DIR true
#define INVERT_Z_DIR true*/

#define INVERT_X_DIR false // DELTA does not invert
#define INVERT_Y_DIR false
#define INVERT_Z_DIR false

// @section extruder

// For direct drive extruder v9 set to true, for geared extruder set to false.
/*#define INVERT_E0_DIR true
#define INVERT_E1_DIR false
#define INVERT_E2_DIR false
#define INVERT_E3_DIR false*/
#define INVERT_E0_DIR false
#define INVERT_E1_DIR true
#define INVERT_E2_DIR true
#define INVERT_E3_DIR true

こういう感じにする
あとはホームポジションの設定やったときの手順と
同じようにファームを書き込んで終わり


・とりあえず出力テストをしてみる

 現在この記事を執筆中の時点でまさに出力中なんだが
 モーターからの音がほとんどしなくなるだけで
 騒音レベルがこれだけ改善するとはたまげたなぁ という感じ

 というか事前情報どおりモーターからの音がほとんどゼロになると
 こんどはフィラメント送り時のフィラメント自体からの振動音と
 ファンの音が気になるようになるなw

 出力精度とかに関しては現状では不明 まだ終わってないので
 あと高速でぶん回すと脱調しやすいみたいな話があるので
 その辺がどの程度の話なのかの見極めが必要かなぁと


とりあえず今回の話はこの辺かねぇ

以上


2017年3月6日月曜日

実際にkosselのキットを買ってみて の話


想定用途を

・ホビーメインか仕事メインか

 これは主にダウンタイムの想定の話
 三日以上を許容するならホビー扱いでいい

・クルマを所有してるかどうか

 これはホームセンターにいけるかどうかと
 最低限の工具類が揃っているか 車内で使うかどうか の想定

・予算 5万 10万 15万

 全ての予算帯において本体と最低限の部材の合計価格とする


この辺で雑にわける




・まずホビー専業 予算5万 クルマ無し なら

ダヴィンチJRとかの完成品のPLA専用モデルがええ

理由は

とりあえず安くて簡単 メーカー保証有り
メンテやセットアップに追加費用不要
ホビーだからメーカー修理で一週間くらい使えなくても困りはしない


・ホビー専業 予算5万 クルマ有り なら

ABS対応でヒートベッドがついた中華キットを自力で調達してなんとかするしかない
あまりでかいものを作らないならAnycubic Kossel が大体3万弱
これにエーモンの電線やカプラ ホムセンで買えるネジ等の追加の部材と
不足するアクセサリーの出力用フィラメント 最大 2キロ程度

これで大体5万

なんでクルマ有りだと中華キットのみになるかというと

PLAは夏の車内で溶け落ちる
冗談ならいいんだけどガチなんだよなぁ
なのでABS対応のヒートベッドが付きモデル必須になり
そうなると予算5万程度では中華キットしかない

まぁでも5万ではフィラメント代や保守部品代が厳しいので
その辺の追加費用を一ヶ月後くらいを目処に見るといい

・模型趣味で仕事半々 予算10万 車あり なら

 ダヴィンチプロとかのABS対応でケース入りモデル 8万前後

 もしくは 前述の中華キットを買って
 後全部を壊れやすい保守パーツやフィラメント代や
 静音化とかデルタ式のアームををマグネットバーへのアップグレードとか
 その辺にぶっこむのも手

 現在完成品の3DプリンターでABS対応が大体5万以上10万以内くらいで
 やすいの だとこのあたりが一番競争が激しい

・プロユース 予算15万

 ABS対応モデルで10万以上の完成品

 ここに関してはあんまり書くこと無いなぁ
 15万程度の予算をさくっと準備出来るなら
 機器トラブルとか気にせずにモデリングに専念できるので

 調べた限りでは 原型師さんは大体UpPlus使ってるね


次に 3Dプリンタの機種選定でよくある話

・フィラメントはABSかPLAのどちらがいいか

 これはもう単純に出力品の用途による

 出力品にエッジや穴の精度のタイトさがそこまで不要で
 なおかつ可能な限り安いほうがよくて
 運用箇所の温度が60度を超えないなら PLAでいい

 ただこの条件だと風変わりなペン立てや置物以外に
 何に使えるんだよって感じなのだが
 この条件で使うことを前提にすれば案外用途はたくさんあるのです


 ヤスリやドリルやタップが使えないとダメで
 ドレメルとかのモーターツールもバリバリ使えて
 運用箇所の温度が60度を超える場合
 ABSじゃないとダメ クルマは温度の関係でABS前提

 ぶっちゃけちゃんとした3Dプリンタなら
 ABSの方が高速出力出来て高強度で
 ヤスリとかで積層痕が消しやすくて ナイフで削れて
 熱湯ぶっかけても大丈夫なので
 
 正直ABSだけ使っとけばいいという感じなんだが
 割と精度や見た目が”どうでもいいもの”で
 安くあげたいならPLAが結構使えるんだよねー


・3Dプリンターキットの難度のお話

 昔のキットはガレージキット状態で
 ろくな説明無しでパーツがバラで入ってるだけ

 樹脂パーツは全部3Dプリント
 精度が必要なパーツも自分で組み立てと調整が必須
 ファームウェアも探してこないとダメ
 みたいな無理ゲー状態だったんだけど


 最近の3Dプリンターキットは割と射出形成品使われてたり
 機械周りの部品の量産効果での安定化とかもあり
 精度が必要なパーツは組み立て済みだったり

 ファームウェアも最低限の調整でどうにかなったり と
 まぁファームウェア書き込みが必要な部分以外は
 タミヤのカーラジコンのキットが組み立てられるレベルならなんとかなります

 でもまぁ安価で粗悪なキットも結構まだ売れ残ってるので
 そういうのを掴まされないようにする目利きが必要かも?


・大体のトラブルは予備部品と品質の高いパーツへの予防整備でなんとかなる

 プリントができなくなるレベルの致命的な不具合ってのは案外限られてて
 しかもモーターや電源やメイン基板が死ぬってのは稀で
 ほとんどフィラメント詰まりなのよね

 それでもおきてしまった場合にメーカサポートは田舎だと往復で三日以上かかる
 サポート拠点が近かったり大都市圏の郊外ならそうでもないんだけど
 メーカー保証でなんとか みたいな場合だとダウンタイムが発生する

 キット品はそこが最初から当てにならない代わりに
 故障レートの高い主要な予備部品さえきちんとストックしていれば
 最低限のダウンタイムでプリントが再開できるようになるのが利点

 これは自作PCとかの話にも通じるね


・これがよく壊れるけど簡単になおせて部品自体は安い 系のもの

 キット系なら基本全部Amazonで買える

 ノズル
   先端が削れたりPLAとABSを頻繁に入れ替えたりとかすると
   詰まって死にやすい
   これはキット品なら汎用工具が使いやすくていくつか入ってるのを買うとええ

   交換するノズルが固定で確定すればファーム修正も楽でいい

 バレル
   フィラメント詰まりの原因のもう一つ
   これも分解整備自体は簡単だから予備もっとけ

 モータードライバ
   これも昔は割りと死にやすかったらしい 主に熱で
   ただキット品の場合五個付属で一個余るからそれを予備にすればいい
   二個同時に死ぬってのは稀

 ビルドプレートに貼るシート類
   所謂ビルドタックとかプラットフォームシートと呼ばれるやつな
   性能がいいやつほど劣化したときのトラブル原因になる


・あると便利かも 系の特殊工具や部材

 ヒートブロックのネジに合ったタップ キット系なら大体M6
  フィラメント漏出系の不具合で詰まった時に無いとヘッドごと交換になる

 カプトンテープ
  まぁこれも持っとくとええ 部品交換時に貼り付けが必要だったり
  ヒートベッドやガラステーブルに貼ったりが出来る
  20mmと100mmがありゃ十分じゃないかなぁ

 放射温度計
  ヒートベッドの温度分布を調べたり
  作動中のトラブルの原因を探すのに使える

 最低100mmのノギス
  デジタルノギスでいい キャリブレーションとかで使う

 シックネスゲージ
  紙で代用が可能だけどノズル高さ調整とかであるとチョ~便利



とりあえずこの辺かなぁ 以上

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